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La PAUME

2015年9月号

2015.09.02  執筆者:織部幸治

ピンポン外交の陰にいたスパイ(柏書房)

酷暑の夏でしたので、今年はもう秋がやってきたように感じます。

8月末そんな涼しさを感じながら読んだ本は衝撃的でした。

「ピンポン外交の陰にいたスパイ」

PING-PONG DIPLOMACY: THE Secret History Behind the Game That Changed the World(柏書房)ニコラス・グリフィン著 2015年8月10日第一刷発行

という本で、国際卓球連盟アイボア・モンタギュー初代会長の卓球の生涯を描いたノンフィクション物語風の実は米中ピンポン外交の裏舞台を書いた(集めた)ものでした。

社会を変革するためにはやむを得ないとする中国の文化大革命の凄惨な様子や、政治の駆け引きの様子は単純な私の頭では消化しきれませんでした。

はっきり言えばやや後味の悪い読書となりました。またいろいろな文献を集めて繋げたという感も否めません。実名が出て気分を害する人も大勢いるのではないかと想像します。

事実と異なるところも発見しました。

しかし中国卓球の強さの土台には私たちが想像することも出来ないような文化大革命の体験があることは、はっきりと感じました。

この50年間、中国の卓球を中心となって育ててこられた徐寅生元中国卓球協会会長の言葉には凄みを感じます。

「政治的戦略なくして、試合を有利に導くことはできない」

「チームリーダーやコーチに全面的に頼っていては、必ずしもいい試合はできない」

「自分の意見は腹にためず、はっきり口に出せ」

「たとえピンポン球は小さくとも、そこに含まれた意味は大きいと認識すべきである」

「どのように卓球をプレーするか」と題された16ページの小論文は毛沢東の心をも貫いた。この論文は毛沢東の指示で各省の高官に配布され、一週間後には人民日報に掲載された。と書かれています。

この本にも荻村さんは頻繁に登場します。著者がピンポン外交のキーパーソンとして荻村伊智朗を位置付けていることが良くわかります。

題名から感じられるのは、誰かをおとしいれる暴露本的なイメージですが、そのようなものではなくて、ピンポンから卓球、社交遊戯から競技、ヨーロッパ特にイギリスにおける卓球の広がり、個人の趣味からチームそして社会から世界に広がる様子や、政治や経済に広がる卓球の価値や魅力なども瑞々しく描かれています。

それにしても話は1832年モンタギュー氏の祖父の生まれから始まり、第二次世界大戦後の中国の文化大革命後の米中ピンポン外交に及びます。

その間の一つ一つの記載が真実であるなら、まさに驚愕です。

私の中のモンタギュー氏のイメージも登場する多くの歴上の人物のイメージもかなり変わってしまいました。

モンタギュー氏が映画の仕事をヒッチコックやチャップリンと行っていた。というのにも驚きました。

「卓球」という私たちのスポーツが関わって織りなしたドラマなので、身近に感じ、とにかく最初から最後まで驚きの連続です。卓球がなぜ政治的スポーツなのかが少し理解できました。

訳者の五十嵐加奈子さんの「あとがき」には荻村伊智朗さんへの賛辞と卓球用語のアドバイスをしてくれたITS三鷹卓球クラブメンバーの富樫孝之さんへの謝辞が書かれています。


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